農業という仕事

(このブログはうちのお客さまであるおいらくん(6歳)に向けて書いたブログです。http://blog.livedoor.jp/rikipon67/archives/51788270.html) 書いているうちに6歳レベルの語彙では説明することができないことに気づきました。ごめんなさい。

おいらくんへ

昆虫のおもちゃ、いいアイディア!。虫がビックリしてどっかに行っちゃうかもしれませんね。でももしかしたら、効果がないかもしれません。やってみないとねw。今度畑にもってきてください。

さて本題に入ります。僕達がどうやって、野菜に虫がつかないようにしているか説明したいと思います。(お送りした野菜に、虫いっぱいついているよというお客様、申し訳ございません(T_T) 技術不足です。。。)

当たり前ですが、虫も植物も生きています。虫も植物も一生懸命がんばって生きていて、なるべく健康に人生を全うしたいと思っています。だから、虫はがんばって野菜を食べようとして、野菜もがんばって虫に食べられないようにします(結局は人間にたべられちゃうんだけどねw)。畑は虫と野菜の生きるか死ぬかの戦いの場なのです。

野菜は虫に食べられないように、丈夫な体を作ろうとします。太陽の光、適度な水分と栄養が揃うと丈夫な体ができて虫にたべられません。でもどれかが欠けてしまうと、健康に育ちません。健康に育たないと、皮膚が弱く、美味しい匂いが空気中に漏れてしまい虫が集まってしまうのです。

だから僕達は、野菜が健康に育つように太陽の光、適度な水分と栄養を野菜にあげたいと思います。しかし残念ながら、太陽な光と適度な水分をあげるのは難しいです。祈ることくらいしかできません。お水はホースからあげればいいじゃんと思うかもしれませんが、5500坪くらいの畑をやっているので、お水をあげて回っていたら、一日が終わってしまいます。結局僕達は、栄養(肥料)を十分に与えることしかできないのです。

肥料はだいたい10種類くらいあって、それを畑の状態や、野菜の種類によって配合を変えてあげています。

そして運がよく、いい天気が続けば虫に食べられていない健康で美味しい野菜ができるのです。

ネットを張るなどの対策もあるのですが、いまはそこまで手が回っていません。高冷地にあるので、虫の数が少ないというのもこの地で農業をやる利点ではあります。

では、天気が悪くなって虫が野菜をたべてしまうようになったらどうしているのでしょうか?

基本的には何もしません。畑に行って野菜についた虫を退治して回るということはやっていません。見つけたらその場で殺しますけどw そしてたくさん虫に食べられてしまった野菜は出荷しません。それが基本ですが、どうしても出荷したいトマトなどが虫にやられていたら、お酢を薄めて撒いたりします。

あとは出荷の際に気をつけて虫を取り除きます。それは妻ががんばります。妻は虫が大嫌いなのですが、それ故お客様に虫をお送りしてしまうことを嫌がり、丁寧に梱包作業をやっています。

おいらくんが将来、科学者になって野菜がうまく作れるように研究をしてくれることを期待してやみません。



数年前に世界中でハチが大量死しているとニュースを見たことがある人は多いだろう。僕自身も、ウェブサイトだったかニュースだったか、新聞だったかで見た記憶がある。アメリカの大農場で困ったことになっていると騒いでいた。その時はふーんと思って、そのまま情報は頭の後ろのほうに流れていった。

先日、たまたま成毛眞氏のブログに紹介されていて、読んでみようという気になり、町の図書館にリクエストしたら仕入れてくれたので、読んでみた。結論から言うと、とても面白い。まず構成が素晴らしい。つまりズルズルと引きずり込まれて気がつくと読み終わっていた。
2007年春までに北半球から4分の一のハチが消えたのである。人間社会でいうと、15億人くらいが死んでしまった。それくらいインパクトのある話である。たかがハチと思うなかれ。ハチほど農業に密接している昆虫もいないだろう。食卓にならぶ多くの果物や野菜はハチがいてこそ、受粉して人が食べられるようになる。ハチなしの農業なんて考えられないのだ。
ハチの大量死(CCD)は、残念ながら単一の原因で発生しているわけではない。単一の原因であれば、それを排除すればいいだけなのだが、原因は複雑でかつ致命的である。なぜ致命的なのか。それは現代の効率至上主義的な社会を否定するものだからである。

効率がいいというのは、20世紀における企業経営の最高の褒め言葉のひとつだろうけど、効率がいいというのは、最終的に決して効率がいいことではないよ(?)というのが本書の大きなメッセージなのだと思う。

CCDの原因のひとつとして、カリフォルニア州のアーモンド畑とミツバチの蜜月関係が書かれている。ここには3000平方キロメートルといっても想像がつかないが、鳥取県よりちょっと小さいくらい、茨城県の半分くらいの面積のアーモンド畑がある。アーモンドはミツバチを媒介にして受粉する。ミツバチなしではアーモンド畑は何も生産ができない。カリフォルニア州には3000平方キロメートルの広大な畑をカバーするほどのミツバチはもちろんいない。だから全米の養蜂家たちが巣箱をもってカリフォルニアに訪れ、ミツバチたちは来る日も来る日もアーモンドの花粉を運び、アーモンドの花の蜜を集めつづける。人間も同じものばかり食べ続けると、栄養が偏り、不健康になるのと同じで、ミツバチも同じものばかりを摂取しつづけると、健康を害する。
ミツバチが花粉を媒介するのは、アーモンドだけではない。うちの農園でも育てているキュウリ、ズッキーニ、カボチャなどのウリ科植物はミツバチなしでは実をつけない(中国の四川省では、すでにミツバチがほとんどいなくなってしまったので、数千人の労働者が梨の木にしがみつき、ミツバチの代わりに受粉作業を人工的に行なっている)。

現在、TPPの議論のなかで、農業の効率化が叫ばれているが、その論者たちが言っているのは、カリフォルニア州のアーモンド畑のように単作で、同じようなものを大量につくることによってコストを下げ、結果として生態系をぶち壊し、受粉を行うために人がいちいち花粉を棒の先っぽにつけて、日がな一日歩きまわることを指しているのだろうか。
それでも効率的だと言えるのだろうか。効率は時間軸をどう取るかでまるで違ってくる。短期的には効率がいいというのは結局何かを犠牲にしているということなのではないだろうか。(ちなみに僕はTPPは締結したほうがいいと思っている。これについては、また今度書きます。)

現在、生態系はものすごい勢いで壊れかけている(何十年も前から言われていることだけど)。しかし、現在は生態系が壊れていることによって、僕達の生活は致命的なダメージを受けていない。CCDが僕達に突きつけた問題は、この世界の脆弱性である。たかが"ハチ"がいなくなることですら、農業というのは立ち行かなくなってしまう。

著者は、解決策として有機的な養蜂、有機農業の推進を挙げているが、それだけで生態系が回復するというのはあまりに楽観的すぎる。70億という人口、減り続ける化石資源。明るい未来をデザインすることは、難しすぎる課題である。

(耕平)
今日は、最近出版されたばかりの素晴らしい本の紹介をさせていただきます。
 
 
皆さん、宮沢賢治が日本を代表する童話作家であることはご存知かと思います。
でも、彼が優れた農学者であり、教師であったことはご存知でしょうか?
 
今回ご紹介する『イーハトーブ農学校の賢治先生』(小学館)は、
『家栽の人』『玄米せんせいの弁当箱』を描いている魚戸おさむ氏の力作です。
漫画ですが、学校や図書館にある研究書に決して引けをとらない貴重な本といっても過言ではありません。
 
私は小学生の時、宮沢賢治の『注文の多い料理店』が大好きで、当時何度も繰り返し読んでました。また、彼の有名な詩「雨ニモマケズ」は、農家になってからますます心にしみるものを感じました。
 
今回、私のまったく知らなかった賢治先生に出会い、こんなにも素晴らしい人が日本に実在していたのかと、感動すら覚えました。大人が読んでも子供が読んでも勉強になる漫画です。特に、人を導くに立場にあるかたは、是非ご覧いただきたい本です。
 
魚戸氏の作品は、以前にもHPで紹介したことがあります。
こちらもぜひお薦めです。
 
(かも)

本日(3月25日付)の日本経済新聞1面のコラム「ニッポンの農力」に、
ちょこっとですが夫の意見が紹介されています。

先日、記者の方がはるばる取材にいらして、私たちのしている農業や
新規就農の大変さについて、細かくインタビューをされました。

以前、農業ネタが様々なメディアで取り上げられるようになった時は
「農業が、単にブームで終わらないでほしい」と願いましたが、
今でもこうして日経一面で取り上げられるということは、
時代が進むべき方向に歩み始めたということでしょうか。

(かも)
日経新聞.jpg

2月中旬、隣町にある「臼田小学校」の5年生50人の前で、夫婦で講演をさせていただきました。近所に住む小学校の先生に、「子供たちに農業の熱い話をぜひしてほしい!」とのご依頼を頂いたからです。

授業をするかも.jpg

講演をするにあたり、あらかじめ子供たちからお手紙をもらっていたのですが、
そこには「なぜ、東京でのサラリーマン生活を捨てて農業を始めたのか?」「農業は大変ではないのか?」という点に興味が集中していました。

講演では、子供たちの疑問をパワーポイントを使って分かりやすく説明しました。
また、将来の食糧生産の悲観的な見通しを述べ、結構シビアなことも話しました。

90分という長い時間でしたが、子供たちは一生懸命話を聴いてくれました。
質問も活発に飛び交い、時間が足りないくらいでした。

講演前、「将来、農業をやりたいか?」という質問に対して、8人の子が手を挙げました(8人もいることに感動しました)。
講演後、もう一度同じ質問をしたところ、数が倍以上に増えたことが嬉しかったです。

小学生にお話する機会を下さったM先生に、感謝します。
給食.jpg講演後は、皆と給食を食べました。実に20年ぶりくらいの給食です。
小学校の頃は、これくらいのボリュームで満足していたのでしょうか?
二人分は余裕で食べられるような量だったので、ちょっとビックリです。思わずスープとパンをお代わりしてしまいました。

すっかり打ち解けてくれた子供たちから最後に受けた質問は、かなりシビア。
「浮気したことはありますか?又は、してみたいと思いますか?」
「始めて行った婚前旅行はどこですか?」
など、農業とはまったく関係のない質問に、しどろもどろになってしまったのです・・・。

(耕平)

Golden Greenのキャッチコピーは「おいしくて、栄養価が高くて、安全なお野菜を食卓に」となっています。

このコピー、結構迷いました。何に迷ったかというと、順番です。

おいしい
栄養価が高い
安全

この三つの中で、どれを最初にもってこようか、どれを最後に持ってこようかで随分悩んだのです。
結局この中で、一番優先すべきことは何だろうと考えていった結果、まず美味しくなくちゃと思ったのでした。当たり前の話ですが、おいしくないものを毎日食べ続けるのは辛いですよね。
子供の頃は、栄養がいっぱいあるからという理由で、嫌いな野菜を食べさせられることがあります。嫌いは嫌いでしょうがないのですが、その野菜の作り方が悪くて美味しくなかったとしたら、野菜嫌いの子供を生み出しているのは、農家の責任です。
糖度が高く、旨味たっぷりの野菜であれば、もしかしたら子供は野菜を好きになってくれるかもしれません。大人だって同じです。野菜がほんとうに美味しければ、肉ばっかりではなく、ちゃんと野菜もたっぷり食べてくれることでしょう。
美味しいというのは、食事をする上で最も重要なことだと考えています。食事が美味しければ家族の会話も増えます。
そんな野菜作りをしたいなと思い、美味しいを最初に持ってきたのでした。もちろん「思う」だけで美味しい野菜が作れれば苦労はありません。Golden Greenでは良質な肥料を適正量投入し、小さい畑をこまめに見回り野菜に足りないものはないかを観察しながら、美味しい野菜をつくっています。


次に「栄養価が高く」と入れました。野菜に栄養があるのは当たり前でしょといわれてしまいそうですが、実はそうでもないのです。
例えば50年前の野菜と、いまスーパーで売られているような野菜を比較すると、栄養価が実は全然違います。
以下は文部科学省が出している「日本食品標準成分表」の昭和25年(初版)、昭和56年(四訂)、平成12年(五訂)の数字です。

なんとホウレン草のビタミンAは10分の1以下、鉄分なんかも5分の1程度です。ニンジンも似たようなものです。


ほうれん草
 ビタミンA...8000→1700→700
 ビタミンC...150--→65----→35
 鉄分............13.0→3.7----→2.0

にんじん
 ビタミンA...13500→4100→1500
 ビタミンC...10------→6------→4
 鉄分............2.0----→0.8----→0.2

これほどまでに栄養価が落ちてしまった訳は、いろいろとあると思いますが、化成肥料と農薬のセットでとにかく多収や見た目の良さだけを目指した農業スタイル、ミネラル成分(鉄とかマグネシウムなど)を過小評価した農法などによるところが多いと思います。そしてそのような野菜が流通量の99%を占めても、まったく問題にしないで今までやってきた、流通、小売り、消費者などにも問題はあるのだと思います。

ビタミンが極端に減少してしまっているのは、簡単にいうと植物の中にある炭水化物が足りていないのです。大雑把にいうと、ビタミンは炭水化物(CHO)がいくつもくっついてできるものなのです。
鉄分などは、野菜は自ら作り出すことができません。そのため農家が土に鉄分を施してやらなければ野菜に鉄分は不足してしまいます。

昔にくらべると農業技術は上がったと思われています。多収や見た目の綺麗さの追求という点においては確かにそうなのでしょう。しかし反面、中身がスカスカの野菜になってしまっているのです。

健康のために野菜を食べましょうというのは、半ば常識として定着していますが、「どんな野菜を食べるか」によってその内容は大きく異なってしまいます。

これは単純に昔の農法に戻せばよいという話ではありません。昔の農法の収量では残念ながら、僕たちは生活していくことができません。昔の農法のいいところは取り入れつつ、植物の生理を理解し、科学的に正しいとされているやり方を組み合わせて栄養価の高い野菜を作っていこうとしています。

最後に「安全」についてのお話をしたいと思います。Golden Greenは無農薬で野菜を作っているので安全だ!といいたいところなのですが、これもそう簡単な話ではありません。変な言い方ですが、無農薬でも安全でない野菜をつくることは可能です。
一例ですが、硝酸態窒素というものがあります。これは肥料分を過剰に畑に施し、野菜が消化不良を起してしまっている時に、野菜に残留してしまうものです。
硝酸態窒素を食べると、まず口の中でえぐみや苦みを感じます。ホウレン草を食べてみて、えぐみが強かったら必ず茹でてから食べましょう。茹でると硝酸態窒素を除去することが可能です。この物質が体内に大量に摂取されると、メトヘモグロビン血症、発癌、生殖機能の障害といった健康被害を引き起こすと考えられています。乳児の場合には、最悪死に至るケースもあるみたいです。(主にヨーロッパで発生。日本では例がない)

硝酸態窒素も肥料のやり方次第で減らすことは可能です。何においても完全に安全な野菜!ということは言えませんが、今もっている知識の中で最大限安全な野菜を作っていきたいと思っています。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭がうちのお客様には多いので、特にそう思うのかもしれません。お客様が、わざわざうちの畑までお子さんを連れて見学にいらして下さることがあります。お子さんの姿をみると(ものすごく生意気な子供を除く)、安全な野菜を作ろうと強く思うのです。顏が見える野菜ということで、スーパーには生産者の顏写真が貼ってあるものもありますが、本当に見えるべきなのは、消費者の顏なのではないでしょうか。

(耕平)

ナスの苗
玄米先生.jpg

ご存知でしょうか?
現在、ビッグコミックで連載されている魚戸おさむさん作の漫画です。

この漫画は〝真の食育"を学べる素晴らしい話が満載なので、是非紹介させて頂きたいと思います。

主人公の玄米先生は、大学の農学部の講師。
「食べる喜び」を生徒に伝えるべく、型にとらわれずに講義をしていきます。
その講義は、現代の食が直面している問題について深く考えさせられます。

・家族みんなが集まって食卓を囲む姿が消え、「個食」や「孤食」といった個人がバラバラに食事をする現代。
・便秘やメタボリックがもたらす恐ろしさ。
便秘を「たかが便秘」と思っている女子大生が登場するのですが、便秘の本当の恐ろしさを知らずに食生活を正さずに、サプリメントに頼ったり、ダイエットをしたり・・
また、毎日外食生活のサラリーマンが病院へ行きメタボリックと診断され、「メタボを甘く見てれば糖尿病や心筋梗塞などの恐ろしい病気が待ち受けている」と医者から忠告を受け・・

便秘の女子大生もメタボのサラリーマンも、玄米先生との出会いによって次第に変わっていきます。
玄米先生は「健康のためにはアレは食べちゃダメだ!コレもよくない!」と説教くさく教えるのではなく、健康になるために食べるものを制限してしまうと、「食べることの楽しさ」を忘れてしまうという考えのもと、美味しくて楽しい食事法を伝えていきます。

私自身、この作品を読んでいて玄米先生にとても共感するものが多く、例えば健康になりたいからといってサプリメントを大量に摂取したり、マスコミで紹介される「これさえ食べていれば健康になる」という情報を鵜呑みにすれば、果たして解決する問題なのか??と。
サプリメントについていえば、日々の食事で不足しがちの栄養素を、サプリメントで補っていればいいと考えているかたはとても多いと思います。(私も東京で働いていた頃はそうでした。昼はコンビニのおにぎりとフライドチキンとサラダ&DHCのビタミン剤が定番でした・・・)

また、女性の中にはご飯を食べないで数種類のサプリメントを摂るだけで、健康に痩せられると考えている人が多いようです。しかしこれは大きな間違い!!
食事を抜いてサプリメントだけをたくさん摂っても、身体には吸収されないのです。(ビタミンCがレモンの何個分とか表記されているのに)。
つまりエネルギーや体の組織に変わる「元」になるものがなければ、サプリメントの働きは発揮されず、健康にはなれないのです。
結局のところ米や野菜や大豆による栄養素をバランスよく摂取することが、健康にとっては間違いなく一番です。

とはいえ、私の友人の多くは朝から晩まで仕事で忙しく、夜はつきあいなどで外食しがちになってしまい、自炊する余裕がなかったり身体にいい食事をすることが難しい環境におかれています。だからこんな話をしても、「明日から食生活を改善しよう!」というふうにはならないでしょう。
今はまだ若いから、乱れた食生活のツケが身体に出ていないのだと思います。
しかし糖尿病をはじめとする生活習慣病、ガン・心疾患、生殖能力の低下...などといったツケとなって、未来の私たちにふりかかる可能性は大いにあるでしょう・・・

人間誰しも病気になりたくない。健康でいることが一番幸せなはずなのに、そのわりには食事に気を配らない傾向がありますよね。

日本の糖尿病患者は、高度成長を迎えるまでは数百人しか存在していなかったのに、いまや1600万人にも膨れ上がっています。
高血圧の人は3200万人、痛風もちの人は50万人も存在します。
加えて、昔はほとんど存在していなかった喘息やアトピーなどのアレルギー性疾患や、うつ病などの精神疾患も確実に増えました。
ガンでいうと、日本人のガンは昔は胃ガンや子宮ガンが多かったそうですが、欧米人に多い肺ガンや大腸ガンや乳ガンのほうが今では多いことを考えれば、食生活が欧米化したことにより病気も欧米化したのです。

これは玄米先生の名言です。
「食生活が乱れると、体調が乱れる。体調が乱れると、人生まで狂わせてしまう。だから食べ物に気を配ることは、人生を大切にすることに繋がる。」

私はこの作品を読んで痛感したことは、毎日の食事が身体を作り、病気になるのもならないのも食生活次第、ということ。
だから例えばいい医療保険に入って安心するのではなく、素晴らしい病院を探すのではなく、まず食生活を正すことから始めるべきだと思います。  
そして私は農家として、野菜の持つ効能を伝え、私たちから野菜を買って下さる方々が病気知らずの健康生活を送られるよう貢献したいという想いです。

「玄米せんせいの弁当箱」は、現在1巻~3巻まで書店またはネットでも発売しています。
一家に一冊あると、今よりきっと食卓が楽しくなり、食事が美味しくなるはずです。
是非読んでみてください!!

(かも)

農業をはじめると言った時に、

「あっ、農業ビジネスね。」
「いままでとは違う農業で高付加価値、高収益なモデルを目指すのでしょ?」

なーんて言われていましたが、実はというか、全然そういうことには興味がありません。僕が目指すのは、地道なお百姓さんです。

高付加価値というのは、多くのものは「あれば便利(いいもの)だけど、なくても別段困らないもの」です。

銀座千疋屋のメロンは1個1万500円します。たしかに美味しいのでしょう。(遥か昔に食べた事がありますけど、まあ美味しいです。でも涙はでません。)でも、いくら儲かるといっても、そんなメロンを作りたくはありません。
出来る限り、日常的に無理なく摂取できるような価格のお野菜やお米をつくっていきたいと思うのです。もちろん赤字にならない程度に。

日本という国は、高付加価値なものを効率よく作り、世界に輸出することで今の地位を築きました。

車、テレビ、オーディオ、パソコン、ゲーム機、カメラ、白もの家電、等々。

そういった高付加価値なものを、勤勉さと突出した技術力で作り、世界中に輸出して得た利潤で、今度は食糧や日用品を世界中から買い集め、豊かな生活をしていくというモデルをつくりました。

原油が無限にあり、技術革新が絶え間なく進み、人口が増え続け、環境問題も取るに足りないという「前提」があれば、日本の選択したモデルはなかなかいい選択肢だと思います。

でも現実には、原油には限界があり、技術革新はここのところいまいちパッとせず、先進国の人口は低減を始め、環境はすごい勢いで変わり始めています。とてもじゃないですが、「前提」にするには厳しいものがあります。

前提がなりたたなくては、日本的モデルは崩壊してしまいます。日本の二月の貿易輸出額は前年比で49%ダウンでした。世界的な不景気・金融危機の影響だけで話を片付けてしまっては、結局「内需拡大」という自己矛盾的な解決策しかでてこないのではないでしょうか。

前提が危うくなっていると感じて、僕は農業を始めたのです。高収益、高付加価値なモデルをつくりたいのであれば、たぶん前の会社にいるほうがずっと適しています。前提が崩れつつある中では、地道に「絶対にないと困るもの」を作り続け、そんなにガツンとは儲からないけど、そこそこ食べていくことができる仕事や生活に切り替えていくことくらいしか、思いつかなかったのです。だから、収益性が低く、儲けにならないと言われている、米、大豆、蕎麦なんかもつくっていきます。60種類の野菜を作るので、ほとんど大規模な家庭菜園みないなもので、効率からするとあんまりよくないです。

でも、こういった地道な農業で、絶対にないと困るものをきちんと提供していきたいと思っています。

(耕平)

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第一回「長くて内容が分かりづらくて、読んでいるうちに不眠症が解消しました!」シリーズは、有機野菜ってどういうものかというのを書いてみたいと思います。

「有機野菜」という言葉だけを見ると、有機でつくられた野菜ということです。つまり無機の肥料、一般的には化学肥料と呼ばれているものを使わずに、有機肥料(生物の排泄物や死骸などを原料に発酵させたり、高圧で搾ったりしてできた肥料)だけで育てた野菜が、有機野菜なのです。

ただし、日本で有機野菜というと、JAS認定を受けた野菜を有機野菜と呼びます。JAS認定を受けない限り、有機野菜と言う事はできないのです。つまりGoldenGreenの野菜は、有機野菜ですと宣伝することはできません。

JAS認定をとればいいのですが、当農場のように60種類くらいの野菜を作ろうとすると、野菜の値段を倍くらいにしないとペイしないような仕組みになっています。品種毎に、いつどのような肥料をどくれらいやったか、農薬を使っていないかなどの膨大なレポートを作成し、JASの係員に検査をしてもらい、その検査員の宿泊費や交通費まで負担しなければ、いけません。

ちなみにJAS有機の定義は「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで、自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料及び畜産物に付けられています。」となっています。

JAS規格は、多品種少量栽培をしている農家を想定していないのでしょう。というわけで、いまのところJAS認定を取得するつもりは全然ありません。公的機関の認定を受けた野菜を購入されたい方は、そういう野菜だけを扱っている流通業者さんがあるので、そういうところでお買い求め下さい。

ちょっと話がずれましたが、有機野菜(JASの定義する有機野菜じゃないよ)というのは、肥料についてのみ言及しているだけで、農薬については言及していません。

当然、有機肥料を使い、農薬を撒いている野菜もあれば、農薬を使っていないものもあります。
また、化学肥料を使い、農薬を撒いている野菜もあれば、農薬を使っていない物もあります。(後者は限りなく少ないとは思いますが)

大きく分けると、野菜は4種類あるということですね。

もちろん、GoldenGreenでは、有機肥料を使い、農薬を使わない野菜を作っていきます。

ではなぜ、有機肥料を使うのかというと、有機肥料をつかったほうが、おいしい野菜を安定して作る能力があるからです。

一般に有機肥料というと、「なんとなく安全そう」「自然な感じ?」というようなイメージが先行していますが、安全性においては、そんなに大差はないのではないでしょうか。
硝酸態窒素という問題は残りますが。有機肥料でも硝酸対窒素問題は発生しますしね。

ここからはちょっと専門的なお話になりますが、ご辛抱ください。

つい10年くらい前までは、植物は無機のものしか吸収しないと考えられていました。有機の肥料は、土の中で微生物に無機の状態まで分解されてはじめて、植物に吸収されるというのが学会の定説でした。

その定説の中で、力を伸ばしたのが化学肥料(無機肥料なのです)

ところが、2002年に作物の根が有機物を吸収するという事が、農業技術研究所によって証明されたのです。

これは天動説が常識だった世に、地動説が唱えられた時くらい衝撃的でした。すごくニッチな世界の中だけですが。。。

ちょっと中学校の時の理科の授業を思い返して下さい(忘れているとは思いますが・・・)。植物は光合成をしているって書いていましたよね。光合成っていうのは、太陽の光が持っているエネルギーを使って、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を合成して、炭水化物(CH2O)と酸素(O2)を生み出します。

で、この炭水化物を使って、細胞をつくり、体を支えるセンイ質をつくり、美味しさのもとであるグルタミン酸などをつくっていきます。

植物にとって、この炭水化物をどれくらい生産出来るのかが、生命を維持し、子孫をたくさん残していけるかのキーになるのです。

で、なにがいいたいかと言うと、有機肥料には、炭水化物の原料となるアミノ酸が含まれていて、それが根から吸収できちゃうということなんです。

天気がよければ、光合成によって十分な炭水化物をつくれますが、曇りや雨だったりすると、炭水化物をたくさんつくれません。

有機肥料を正しく使っていれば,根から炭水化物の原料を吸収できてしまうので、天候に左右されにくい農業ができるのです。
日本では、お米(コシヒカリ)の収量記録は有機栽培でつくられたものです。

というわけで、美味しい野菜をたくさん採れるように有機肥料を使っていきます。

長くなりましたが、農薬についてもちょっと書きたいと思います。

現在の農薬は一昔前と違って、それほど危険なものではありません。農薬の使用量やタイミングもいろいろと規制があって、食卓にならぶ頃には、ほとんど影響がないように調整されています。(ということになっています)

しかし、ずっと農薬を使った野菜を"食べ続けたら"どうなるかは分かりません。またこっちの野菜の農薬と、あっちの野菜の農薬を合わせて摂取したら、どういう影響があるかということに関しては、ほとんどデータがありません。
当農場では、少しでも危険のあるものは極力排除したいと思います。そういう訳で、農薬を使わずに栽培をしていきたいと思います。
それにもう一つ理由があります。農薬を撒いて、一番ダメージをうけるのは紛れもなく、それを撒いている農家です。自分たちの健康のためにも、農薬を使わずに栽培していきます。

よく、農薬を使わないと、虫がついて大変だねー。と言われますが、それもちょっと違います。
植物は、虫にたべられるために体を大きくしているわけではありません。自分の子孫をたくさん残すために、根を伸ばし、葉をひろげているのです。
人間が病気になるのは、体が弱っているときです。植物も虫に食われ、病気になるのは弱っているときです。炭水化物や、窒素分、各種ミネラル成分が足りており、健全に生育している植物に虫はつきません。
農薬はついてしまった虫を退治するためのものです。人間でいう抗生物質みたいなものですね。

もちろん、農業技術が未熟なGoldenGreenの野菜には虫や虫食いがあることが十分に予想されます。ご了承くださいませ。

次回の「長くて分かりづらくて、読んでいるうちに不眠症が解消しました!」シリーズは「人生いろいろ有機農業いろいろ」です。不眠症の方や失恋して悲しくて眠れないという方は、乞うご期待。

(耕平)

先日、僕の師匠が師匠と仰ぐ、日本有機農業会のスーパースター、小祝正明氏の勉強会に参加してきました。

彼の有機農業の理論は、非常に明快でわかりやすいのです。

植物の生理がどうなっているか?
それをどうサポートすればよい結果を得られるのか?

一番ベーシックな部分から理論がスタートしているので、応用範囲が広く、或る程度理論に習熟すれば、演繹的に答えがみつけられるようになるのが魅力です。農業の理論のほとんどが帰納法的というか、経験則的なものなので、農業の経験日数イコール技術力になってしまいます。しかし、それでは僕のような 新規就農者には、とても厳しい。3年たって、まともな作物ができないようであれば、農業から撤退しなくてはならないで しょう。
演繹的な理論があれば、努力次第でいくらでも技術力を高めることができます。こういう理論体系があったので、農業への参入障壁はだいぶ低くなったのではないかと感じます。少なくとも技術という点においては。

勉強会のほとんどは、有機農業の理論と実際みたいな話だったのですが、最後のほうは、日本の農業の現状についてのお話がありました。

その中でいくつかのご紹介。

■日本で食糧消費額のうち、日本の農家の所得分は9%。つまり金額ベースの自給率が9%くらいというお話。

残りは91%は、外国産のものだったり、外国から輸入してきた食材を日本製といって売っていたり、ほとんど外国産の飼料で育てた牛、豚、にわとり だったり、加工業者がとっている加工賃だったり。カロリーベースでは40%前後だが、これは米の果たしている役割が大きい。日本製とうたっている食糧も、原料は外国産であることが多い。

■農業従事者のうち、40歳以下は2%。そして65歳以上が60%。とどめ的には40歳、50歳の農家の半分くらいは兼業農家。つまり10年後の農業人口はいまの半分以下になるかもというお話。


こんな話を聞くと、ついつい「あー、日本の農業とか食糧事情ってほんと駄目だな。なんとかしないと!」なんて考えてしまいますが、まあそんな1億3000万人の食糧事情に思いを巡らしても、たいした解決策はでてこないので、考えない事にしています。

じゃあ、何を考えるかというと、嫁さんを食わしていく事であり、両親や兄弟の食べ物を用意することであり、友達の家庭のお野菜を用意することであ り、将来ぼくたちの農場から野菜や、お米を買ってくれるせいぜい100人から200人のお客さんの胃袋をみたすことに関してです。それに関しては、ものす ごく真剣に考えます。

産業革命が進み、車で100キロのスピードで移動して、携帯電話でいつでも誰とでもコンタクトがとれ、インターネットで世界中の情報を格安で入手 できるようになり、数万円のお金をだせば世界中どこへでも飛行機でいけるようになって、人間は実質以上に自分たちを過大評価してしまうようになったのじゃないかと思います。

過剰な設備投資をしないで、人も雇わずに農業をしようとおもったら、できる面積なんてせいぜい6000坪くらいでしょう(野菜農家の場合ね)。
その面積で、食わしていける人の数なんてたかが知れています。

それ以上やろうとおもったら、結局人をやとい、機械にお金を投資して、同じものを大量につくることによって、生産性を高めて、現場からドンドン離 れていってマネージメントに専念して、農作物がお金にしか見えなくなって、農業がつまらんくなってきて、偽装でも何でもするようになるでしょう。

食糧の偽装問題は、誰かがそれを食べる事をイメージできなくなってしまったということに尽きると思うのです。

人間の能力なんて、たかがしれているのに、それを超えようとすると、必ず歪みができてきます。レバレッジだの、アウトソーシングだのMBA的ビジネス用語なんて、既に僕の脳みそにはありません。

そんなわけで、僕は日本の自給率が悪いとか、世界の食糧事情に頭を悩ませません。そのぶん、家族や友達のこと、自分にできることをいっぱい考えます。

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Golden Green
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